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きなくなってしまいました。それで市のホームヘルパーを要請したら、女性の方が来てくれました。しかし、体重85?のご主人を女性2人では世話できません。たまたまWACアクティブ・クラブを新聞でご覧になって、男性2人を派遣してほしいという依頼がきたわけです。そこで男性2人が行きまして病院へ連れていったり、散歩させたりしていました。しかし病気はどんどん重くなり、正月2日から男性が下の世話までしていました。その方はつい2ヶ月前に亡くなりました。遺書がありまして“WACアクティブ・クラブの皆さんが一生懸命やって下さったから、自分は最後まで1人前の生活が出来た”と書いておられました。
今後は市のほうも人員を増やして、派遣日を多くしていくと思いますが、しかし先程申しましたマンパワーやお金の負担をどうするかという問題を含めて、なかなか計画通りには進みません。私たちボランティアが、市の足らざるところをできるだけ担っていかなければなりません。
●ボランティア発展のための課題
私はもっとたくさんのボランティア団体ができ、そして女性は勿論のこと男性もどんどん参加してもらいたいと思います、堀田力さんが言っているように1000万人がボランティアに参加したら、約200万人の要介護老人、そのうち半分は虚弱老人と言っているのですが、何らかの手助けをしてあげれば普通の生活ができるのです。あと30年経てばこれが530万人になると言われていますが、半分は私たちボランティアが担当しても良いのではないか、あとの半分の重度、中度の方は行政が24時間365日、きちんと看てくれて、介護保険もその方を中心にしっかり面倒をみてあげるようにすべきではないかと思います。
したがって高福祉を低負担でやるのはボランティアで、そして介護保険と税金の組み合わせによってそれぞれの持ち分担をしっかりしながら、行政、社協、ボランティア、家族が緊密な連携をとって日本的な高福祉低負担のお年寄りの介護・介助体制をつくるべきではないかと思います。
ボランティアがもっとたくさん出て来てもらうためには、まず第1に行政がボランティア団体を育成していくことが必要です。例えばせっかく私たちがボランティア団体を作りましたので市の広報に載せて欲しいといっても載せてくれません。ここだけ載せるのは不公平だからというのです。しかしどんどん活動する所を載せればいいのですから、それは関係ないと思うのです。市の広報に載せるだけでも市民の方が知ることができ、参加できるのです。大事な事は情報の発信です。
2つ目はボランティア団体を作っていくための中心になるリーダーが必要です。リーダーを育成する「リーダー養成講座」を市はどんどんやっていくべきです。
3つ目は、神戸のボランティアでも1番成功したのはコーディネーターがきちんと居た所です。ですからボランティア団体は優秀なコーディネーターがいないとうまくいかないということです。コーディネーターの「養成講座」もしっかりやらないといけません。WACアクティブ・クラブも必ず「養成講座」をやっています。今までに3回やりまして、修了証書も出しています。市としてもそういう人を大量に育成していくべきで、そうすれ

 

 

 

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